Great American Beer Festival(GABF)はアメリカ最大のビアフェスティバルで毎年デンバーで行われています。今回は300のブルワリー、1,200のビールが集まります。そして今年はGABF 20周年です。

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9月28日 20周年のGABF 2日目
今日の出来事
New Belgium Brewing
デンバーから北へ100kmほど行ったFt. CollinsにあるNew Belgiumを訪ねました。
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以前から『Fat Tire』というアンバーエールを造っている醸造所として名前は知っていたのですが行ったのは初めてでした。 会社名にBelgiumという単語が入っているところから想像するに、古めかしい醸造所で昔ながらの製法でビールを造っているのかと思っていましたが、自動車から見えてきた建物はマイクロとは呼べないくらい巨大な工場でした。 外にある醗酵タンクひとつで日本のビール免許の醸造量60klをはるかに上回る80kl程度を仕込めると言うのですからその大きさが理解できましょう。 醗酵タンクだけで数種類あったりというとても大きなシステム(に加えて英語の説明)なので一度の説明では全然概要はつかめませんでした。 そんなわけで面白いと思ったところだけのレポートです。

システム全体はコンピュータで管理されているそうです。 あちらこちらに端末が置いてあり、機械が現在どんな動きをしているのかグラフィカルに表示されていました。 Windowsベースのシステムだったのでたぶんモニタだけだと思われます。

モルトミルにはウエットミルというのが使われていました。 このミルではモルトを水で湿らせてから挽くようで、ミルに付いているガラス窓から見るとすでにマッシュインが始まっているのではないかと思わせるような状態となっていました。 こんなミルを見たのは初めてでした。

熟成用の木樽も非常に大きなものでした。 写真に写っているものでひとつ当たりの容量は130hl(=13kl)あるそうです。 さらにこの裏側に60hlのモノもあり、これだけで軽く60klを突破します。 素材はフレンチオークだそうです。

巨大といえばイースト保存用のタンクも巨大でした。 ひとつ24hlで、よく見なければ醗酵容器と区別がつきません。

こちらはテイスティング風景。 ここのブルワリーに行くだけでこれだけのビールをテイスティングさせてくれます。 もちろんタダで、今回は全部で7種類ありました。 ビールの味は可もなく不可もなくという感じで非常にクリーンなビールでした。

Cooper Smith
昼食はもちろん近くのブルーパブです。
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New Belgiumからすぐのところにはブルーパブが二軒ありますが、色々な人の評価が高いということでこちらのCooper Smithに行きました。 このブルーパブは古いれんが造りの長屋のような建物の中にあります。 手前に醸造設備が見え、その奥がパブ・レストランとなっています。

中から見た醸造設備は500リットル程度の大きさくらいしかありませんでした。 非常に小さいブルーパブのようです。 ビールはオクトーバーフェスト意外はどれもなかなか良く、特にカスクのPunjabi Pale Aleはお気に入りでした。

GABF2001 Public Session 2
夕方からはGABF2001の二日目です。 本日はデジカメを持っての入場です。
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まず入り口でIDチェックは例年のことですが、今年から会場内へのバッグ類の持ち込みはかなり厳しく制限されるようになり、入ってすぐのところで荷物を預けなければならなくなりました。 もちろん有料です。 ちょっと不便になったようにも思いますが、これまではこうしたクローク的なものが無かったことを考えると良いシステムかも知れません。

金曜日の夜ということもあってか、昨日よりもたくさんの人で賑わっていました。 それでも去年の一番混んでいたときよりはすいている感じで、なかなかビールをもらえないということはありませんでした。

ビール以外のブースをいくつかピックアップしてみました。 こちらはおなじみWhite Labsのブースです。
イーストを造っているこの会社ではホームブルワー向けのピッチャブルイーストの展示を行っていました。 またイーストの種類とそれに合うビールのスタイルの一覧が書かれたポスターを配っており、いくつか貰ってきました。
Beer Gearという会社ではビールファン向けの小物を売っています。 会場での一番のヒット商品はやはりグラスを首からぶら下げられるストラップのようです。 同じような商品は違うブースでも売っていましたが、こちらの方がグラスの底も押さえるようにできているので、グラスの適用範囲は広いと思います。
全くビールとは関係ないフットボールの試合を観てBingoだかをやるというブースはかなりの人だかりとなっていました。 実際にどういうことをしているのかは判りません。

その他、こちらの空となっているブースですが、プログラムによると、ニューヨーク州にあるEmpire Brewingというところが入ることになっています。 出展を取りやめたのは先の事件と関係があるかは判りませんが、気になるところです。

Falling Rock
混んでいるGABF会場を後にしてFalling Rockへと行きました。
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この店はデンバーで一番ビールタップの多い店で、東京で言えばポパイと言ったところでしょうか。 GABF期間中は連日かなりの人で賑わいます。 本日はまだGABFが終わらないうちに着いたので店内はだいぶすいていました。 とは言って席は全て埋まっており、立ち飲みの客もちらほらいるほどです。

GABFが終わるとどんどんと人が押し寄せてきて、12時近くには歩くのも結構大変なくらいに混んできました。 さすがに店員は慣れているのか、注文をてきぱきとこなしていました。

今日のビール
今日のブルーパブテイスティングログ

Coopersmith's Pub & Brewing
Ft.Collinsのブルーパブ。
Highland Scottish Ale
アロマは弱い。チョコレート、ナッティーなフレーバーでかまり甘い。
しぶみはない。ローカーボネーション

Oktoberfest
DMSのにおいが強い。ボディ少ない。

Cask Panjabi
とてもシトラシーなアロマが強い。オレンジのフレーバー渋味はわずか。苦味はあまり感じない。

Poudre Pale Ale
モルトアロマが少し。すこしすっぱい。

Not Brown Ale
スモーキーアロマ。
なぜか魚くささがある。

今日のブルワリーツアーテイスティングログ

New Belgium Brewing Co.
Ft.Collinsにあるコロラド最大のリージョナル。コンピューターコントロールによるハイテクブルーイングが自慢。
Fat Tire Amber Ale
New Belgiumのフラグシップ。ホップのアロマをほとんど感じないわりに、ホップフレーバーはかなり感じられる。モルトの甘さとバランスしてる。

Sunshine Wheat Beer
ホップキャラクターをほぼ感じないとてもライトなウィート。完全に透明。
コリアンダー、オレンジピールが入っているらしいが、感じない。

Two Cherry Ale
色はほんのちょっと赤が入っている程度。完全に透明。チェリーのアロマはすごく控え目ながら感じられる。フレーバーもとても控え目で「ヒント」程度。

1554 Brussels Style Black Ale
かなり深いアンバーで、けっして黒ではない。すこしトースティーでモルティでエステリーなアロマ。わずかに渋い。甘味はかなりあるが、とてもクリーン。:

Abbey Belgian Style Ale
エステリーでベルジャン風スパイシーなエステリーバナナフレーバーとソルベントライクなキャラクタが両方。クリーンな甘味。

Tripplel Belgian Style Ale
Abbyにくらべて甘味が強い。フレーバー的に甘味が支配的。

Blue Paddle Pilsner Lager
スカンキーになってしまった、
ホップの甘いにおいが少々。ホップキャラクターはあまり感じない。

GABFテイスティングログ

Back Cherry Stout - 777 Restaurant and Brewing
ラスベガスのブルーパブ。
ナッティなモルトとフレッシュなチェリーの皮のようなアロマは好ましい。酸味が多く。甘味が少なく。モルトのフレーバーとバランスがとれていない。5年前に飲んだ時にはすばらしいバランスで感動的だったので、毎年出ていれば飲んでみるが、いつもがっかりする。

The Reverend Belgian Style Quadrupel Ale - Avery Brewing Co.
Bolderにあるマイクロ。優秀。
ベルジャンっぽいスパイシーアロマ。とても甘いがいやな甘味ではない。エステリーなキャラクターがないのがりっぱ。

BJ's Blond - BJ's Grill & Brewery (Bolder)
全国に点在するチェーン店。
ケルシュ。少々フェノリック。渋い。

Bridgeport Ebenezer Ale - Bridgeport Brewing Co.
Portland(オレゴンの)にある有名なマイクロ、ブルーパブ。
アロマ、フレーバーとも強力にエステリー。

Black Butte Porter - Deschutes Brewery
これもオレゴンのマイクロ。どこのスーパーでも見かける(Portlandでは)。
甘いモルトとエステルのアロマが強い。フレーバーも甘味が強くすごくエステリー。

Bell's Consecrator Doppelbock - Kalamazoo Brewing
ミシガン有名なマイクロ。ドッペルボックという感じはしない、どちらかというとベルジャン。

Two Hearted Ale - Kalamazoo Brewing
とてもホッピーはIPA。草っぽい感じのアロマのあるが、ホップのアロマもある。

Old Stock Ale - North Cost Brewing Co.
去年行ったカルフォルニアのマイクロ。とてもソルベントライクなアロマ。プラムジュースのようなフレーバー。

HopTime Harvest Ale - Russian River Brewing Co.
去年行ったワイナリーのやっているマイクロ。収穫直後の乾燥させていないホップを使うビール。草っぽいアロマが強いが、あまたある他のIPAより軽い。ホップフレーバーは強力。渋みは少ない。

Pacific Pale Ale - Santa Barbara Brewing Co.
DMS少々。かなりホッピー。少々渋い。

Peavine Porter - Silver Peak Restaurant + Brewery
ナッティでロースティなアロマ。フレーバーもとてもロースティでローストの苦味がかなりある。

Slo Brewing Co Extra Pale Ale - Slo Brewing Paso Robles
草の匂い強力。渋い。ホップオーバパワー。

Cascade Amber - Tied House Cafe And Brewery
むかし、サラリーマンだった時に行ったことがある。Mt.View(シリコンバレー)にあるブルーパブ。
アロマ全体的に弱い。ちょっと渋い。ホップフレーバー多。甘味とのバランス良。

America Pale Ale - Tustin Brewing Co.
DMS多。とても渋い。

今日のベスト
No.23 (IPA) - Unknown Brewery
ホッピーだがバランスが良く渋味も少ない。 Falling Rockのサービスビールらしく、醸造所は不明(公表されていない模様)。
The Reverend Belgian Style Quadrupel Ale - Avery Brewing Co.
この手の高比重ビールをいくつか飲んだがみんな強力にエステリー。このビールはちゃんと適切な濃度にエステルを押さえてあり。りっぱ。

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